ハワイ島 女ひとり旅

ハワイ島を女ひとりで旅した記録

1日目 ハラハラ

あっれ〜?

コナ国際空港は、ど田舎空港である。何にもない。ちょっと思い違い。

私の存在の場違い感は、他人目にも確かなようで「あなたU.S Passport?こっちよ」と、列の仕分けの人に言われた。

あっら〜?私ってアメリカ国籍に見える?うふふ、な〜んて。得意げになる。

ゲートを出たら、さあ、レンタカーだ!

今回の旅の主目的というかメインテーマは、海外でひとりでビュンビュン運転すること、なのだ。

こうして無事に帰ってきてしまうと、それが一体何なのよ、という感じなのだが、旅立つ前は、それが結構な高飛びに思えたのだ。この時の私かて、そうであった。

周りは西洋人の家族グループ、日本人のグループ、新婚カップルであり、日本人のジジババのグループに「何この小娘」っていう視線で見られたりさ、何だか気づつなかった。日差しも暑いわで、汗が滲んだ。そう!そして、何でいきなり小心になって、汗を滲ませる羽目になったかというと、Alamoレンタカーの詐欺的ふっかけ!

とにかく左ハンドルの日産の車でお宿に出発だ!宿までの道のイメージトレーニングはバッチリだった。最後の小さい曲がり角は分かりづらく、通り過ぎてしまって、グルグルしてしまったが何とかお宿にたどり着く。やれやれ。

「ハッロー」と家主のおばさんが中で待っていた。ホッと一息。

出発前日くらいから、なぜか右膝が痛くて、この頃には左膝も痛くて、もうなんだかズタボロのように思えてしまって、私は一体、大枚叩いて、こんな苦労して、何やってんだろ、と思う。

しかし、ゆっくりしてはいられなかった。

車の中で思い出したのだが、なんと私、両替するの忘れてた!

ドルを持っていない!

両替せにゃ。旅行慣れしすぎた副作用とでもいいましょうか。基本が抜けていた。

カードはあるので、生きるのには困らないが、ドルフィンスイムは現金で払え、と言われていたのだった!それに現金がないってのは心細い。

んもう・・・それで実はこのドルフィンスイム、というかドルフィンスイムツアーのオヤジがちょっと曲者でして、まあこれはまた後で書くことにするが、とにかくこの時点では全貌が分かっていなかったんで、とにかく私は現金を用意することが第一目的みたいになっちゃっていたのでした。お宿でのんびりしてはいられない。とにかく、一番近い街、カイルアコナにGo!

とりあえず、食料も確保せにゃ。

見知らぬ国の、見知らぬ街の1日目は、何とも心細い。

食料確保のためのスーパーの駐車場で転がって音楽を聴いているトラックの運ちゃん。両替所、なし。

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もう今日は両替いいや、ってことになって、食料だけ買って宿に帰る。

すごく効率の悪い時間の使い方。

 

アップルバナナとパパイヤ。青いアップルバナナとやらは、青いものだと思ったが、青いのは、ただ熟れていないというだけだった。アク・・・。ペッペッ!

バナナで腹を満たす目論見が外れてしまった。

しかも、なんか表示されてた金額よりもやたら高い、と思ったら、あれは100Gの値段だったわけか。くそ。一番大きいの選んじゃった。

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お宿のラナイ(バルコニー)からの眺め。このラナイがすごく気持ちよかったのだ。空気が違う。ホッとする風。

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このお宿の夕暮れ時は、凄まじいカエルの鳴き声。大合唱。うるさすぎた。

隣のお家が、やたらノスタルジックな演歌風の音楽をかけて、集落に響かせている。なぜか韓国のバラード王、シン・スンフンの、とりわけ酷く悲しいバラードも響く。

ニワトリもコッコッコうるさい。

Alamoレンタカーの費用的衝撃が心を砕く。

 

この日の夜は、泣いてしまった。

別に旅が辛いわけじゃなくて、まあ、いろいろと、今まで内的世界をがんばりすぎちゃっていたこととか、何でひとりでわざわざこんな苦労を買ってしてんだろう、だとか、若いのに痛む膝が哀れに思えたりだとか、ああ、かわいそう・・・。孤独な私。な〜んて。

とにかく悲しく眠る。

 

ふと目を覚ますと、コケコッコー!コケコッコー!

今度はニワトリの大合唱。

空は薄明るい。

時計を見てみると、夜中の1時。

あっれ〜?

外が明るいのは朝陽ではなく月の光であった。

うわあ!と感動するも、コケコッコがうるさすぎて惨めになる。神経を刺激される。

ああ・・・。

また悲しくなる。悲しく眠る。

いや確か、なかなか眠れなかったのだ。悲しくて。うるさくて。

でも、こんな時間も通り過ぎてしまえば、なんてことないのだ、と知っていた。

今思い返しても、あの悲しみはないわけだから、ま、そういうことです。

泣けるってことは、いいことだ。

悲しいのに自分が悲しいことも分からず、ぎこちない笑いや、無表情を浮かべながら生きる人の、いかに多いことか。

 

しかしニワトリってのは、本当に文字通り、“コケコッコー”と鳴くのであった。

クックドゥードゥルドゥでは決して、ない。