2日目 踏んだり蹴ったり カハルウ・ビーチとケアラケクア湾
この日はまだまだダメ。
朝もあまり早く起きられず。
この日の予定というのは、両替と、あわよくばビーチでカメさんと泳ぐことであった。
しかし、これほどまでにガッカリで、心細い観光も珍しい。
結局、今思い出しても、アセアセした記憶しかなく、ああ・・・。
まずはビーチを目指した。
地球の歩き方にて「強力推薦のビーチ」とあった、カハルウ・ビーチパークを目指す。
ちなみに、レンタカーにカーナビをつけると、バカ高くなるので、つけなかった。
地図だけが頼りだ。
そんなこんなで、スムーズに到着できるわけもなく・・・。
まあ、車のならし運転と考えれば、いいわけだが。
道だって、海外だから、いろいろ面白いしさ。は・・・。
しかしそうしてたどり着いたカハルウ・ビーチパーク。
せっま〜い!
ガッカリしすぎて写真もない。
ビーチとも言えないようなビーチに、芋を洗うように、西洋人がプカプカ、ゴロゴロ。日本人や中国人のカップルもいくつかいた。
彼らの表情も特別輝いてはいない。
こういう時、私はひとり旅の良さを思い知る。
誰かと一緒だと、ガッカリしても、あからさまにガッカリできないからだ。
とりあえず楽しい!とまではいかなくても、へえ〜、くらいの反応はしなければならん。
苦労してたどり着いたのなら、なんとなくポチャポチャくらいはしないといけないような感覚になったりする。
でもひとりなら、なんなのよこれ〜、と言って発てる。
そして私は発った。
しかし!鳥に車にフンを落とされた。なんかオレンジ色である。
もう!ツイてない。
ここがダメなら、もう少し南下したケアラケクア湾だ!クック船長が不慮の事故を遂げたところだ!
くねくね道である。またちょっと行きすぎちゃったりしてたどり着く。
しかしこれもまた、ガッカリ。ドンヨリ。
なんか、ハワイなんだか日本なんだか分からん。
しかもこんなとこで泳げないよ!
一応シュノーケルポイントとなっているが、誰もやってない、というのは、誰も泳ぐ気にならないような怖い海。
一応イルカポイントとなっているが、イルカの姿は見えず。
バイクで来てた地元のおっちゃんが、「ここ2〜3日、全然イルカが来ないんだよなあ」と嘆いていた。
期待して来た他の西洋人グループも、ふ〜んって感じで、5分もせずに去る。
私も同じであった。
これ以上、他のスイムポイントへ行く気がなくなってしまって、両替をしに、街にでも行きましょう。ということになる。
しかし、ここで朗報が!
なんと、よく見たら車にナビがあるではないか!
試しに目的地を入力してみると、案内が始まるではないか!
ラッキーなんだか、もともと人々からボッタくるつもりなんだか。
とにかく、これで少し救われた。
で、近くのショッピングモールへ行く。
銀行があったので、そこで両替しようとする。
しかし・・・
「ここはモールのちっちゃい銀行だからできないの。ごめんなさい。空港に行かなきゃダメよ」と言われる。
「はあ、そうかいな」となる。
コナ空港は家から車で15分なので「じゃ、行くか」となる。
で、コナ空港に行って駐車場に入ろうとしたら、駐車料金がいる。もう〜。30分1ドルである。
で、空港のインフォメーションの日系のお爺さんに、「両替所はどこですか?」と聞く。
「あんた何人?中国?日本?韓国?それが分かんなきゃ、どうしようもないでしょうが」と聞いてくる。
別に何だっていいじゃないか。こちとら英語で聞いてるんだから。
「日本人」と答える。
「あ、はい、そう。で、用件は?」というので、「両替所はどこですか?」と聞く。
すると、「あのね、ここは両替所はないの!」と、日本語でお爺さん。
「え〜〜〜!!!!それじゃ困っちゃう!」と驚くと、
「だからね、両替所はないの!」と怒ってくる。
それじゃ大変だ。駐車場から出られない!
そのことを告げると「カードで大丈夫じゃない?」と言ってくる。
「それならいいけど・・・。ダメだったらどうしよう!」と焦る。
「僕が聞いてあげるよ、もう。ダメなら何とかしてあげる」となって、一緒に来てくれた。
ありがたや。やれやれ。
料金所に近づくと、カード可能のマークが!
「あ!カード使えるみたいです!」と喜ぶ私。
「え?僕が聞いてあげるよ」とお爺さん。のそのそと人を探す。
「カード使えるみたいです!ありがとうございます」と言っているのに、人に聞くと言って譲らない。
ありがたいけれども・・・。まあお爺さんってこうなのよね、と思って大人しくしている。
やっとこさ、駐車場のおじさんを見つけてたずねたら、やはり想定通りの答え。
「使えるよ。ここに書いてあるだろうが」
・・・。
はあ、とにかく助かった。駐車場からは出られる・・・。
いや、助かってない。まだ現金はない。まったくもう、無駄足して1ドル払って、ハラハラして、何しとんのじゃ私は!この貴重な1日を!
いや、そもそも、大したことじゃないのに、私は何でこんなハラハラドキドキしなきゃならんのよ!
で、この一連のコジレは、たぶんドルフィンツアーのおっさんが元凶なのだ。
説明しよう。
(最初に断っておくと、私がちゃんと日本の空港で両替しとけば、こんなことにならなかった。それが大元ではある)
私は前の晩に、このおっさんにメールで聞いたのだ。
「どこで両替できるでしょうか?
料金をカードか日本円で払えないでしょうか?」と。
そしたら「電話してくれ」と言う返事が返って来たので、番号に電話したのだが、一向に繋がらない。ちょっとこの辺は、おっさんじゃなくて、天の仕業の感がある。
この日の朝にも電話したが、繋がらなかった(電話に出ない、と言うのではなく、エラーになってしまった)。
と、ここでもう一度「ああ!もう!ドルフィンのお金さえカードでよけりゃ!」と、電話してみたら繋がった!
そしたら、何のことはない。カードでいいそうなのだ。
は〜〜〜〜?????
ねえ、それならそれを最初から言ってくれてもいいじゃありませんか。
もう!
車の中で「何なのよ、このクソジジイ〜〜〜!」と叫んで、何か吹っ切れたよう感じがあった。この時やっと、変な焦燥感から解放されてホッとなった。
焦ると本当に何事もうまく回らなくなるなあ。
それでも幾らかの現金は必要だろう、と思い、空港のお爺さんに教えられた銀行に行ったのだった。
しかし何やら手数料が10ドル。
私は30ドルくらいしかいらないと思っていたので、う〜ん・・・。
「ねえ、ところで現金って必要ですかね?この島で」と銀行の人に聞いてみると、「まあ、実はなくても大丈夫」との答え。チップもレシートに書けばいいし、市場とかでちょこちょこしたものを買うの以外は大丈夫、とのこと。
「そうよねえ・・・。使う場所が思いつかないわ、私」と思い、もう現金は諦めた。
結局1週間、キャッシュのドルなしで過ごしてしまった。
こんな時代になったのだなあ。
やっと肩の荷が下りたような気になって、銀行の近くのターゲットのスーパーを楽しくウロチョロできるまでになった。
ここまで長かった。くそ。
スーパーでコナコーヒーの豆や、食料を調達し、車へ戻る。
車でブツブツとドーナッツを食べながら渋い顔してレシートを見ていると、横から視線を感じる。
振り向くと、隣の車のあんちゃんに見られていた!
もう〜、ひとりごと言ってるの見られた〜!
さて出ますか、と言う段になり横の車を見ると、何やらあんちゃんと友達が、すごい煙を吹かしている。
電子タバコ?ではない。なんか電子タバコの10倍くらいの大きさのものを吹かしていて、車の中が霧で真っ白になっていた。何じゃありゃ!
「もう!何してんのよ〜!」と言いつつ、安楽の家へ・・・。
お家が1番。日本でもハワイでも、お家が1番!なのですね、私は。
コッコちゃんの間抜けな鳴き声の中へ。