3日目 ドルフィンスイム! 裏
このドルフィンスイムは、日本から予約をして行った。
ドルフィンスイムをしている業者はいくつかあったが、波プロダクション、さんを選んだ。
というのは、ホームページを見て、ここのおじさんがすごく動物と仲が良さそうに思えたので、このおじさんのところだったら、たくさんのイルカちゃんに会えるかなあ!と思ってのことだった。しかし、結論から言って、このおっさんはインチキ博愛者であった。
このドルフィンスイムで私は、イルカちゃんよりも、このおじさんと、同じツアー参加者についての考察をすることの方に忙しくなってしまったような気がする。
これだから私はダメだ。だから私はひとりがいい。
説明しよう。
まず、どうやら私はこのツアーで、おっさんにすっかり目をつけられてしまったみたいで。というのは、なるへそ。
どうも私というのは、人々に及ぼす影響力というのが、すごくあるらしい。
私のテンションや思いが、周りの人々に波及してしまう、っていうのかしら。
このおっさんは、さすが長年ツアーをやっているだけあって、それが分かっちゃっていたらしい。
(ちなみに、これらのことは後から色々考え巡らして思い至ったわけで、最初から当初から私が分かっていたわけではない。)
この日は泳げないジジババが参加していて、ジジババのどんよりオーラに私は少しだけゲッとなってしまって、多分そんな思いも波及してしまっていたのかもしれない。
でも出港直後、早速イルカちゃんの姿が見えて、私は「わ!イルカちゃんだ!見て」と、めっちゃワキャワキャして、みんなもワキャワキャしたのに、イルカの側でうるさくしちゃいけないらしく叱られてしまって、テンション下がってしまった。
断っておくが、このおっさん、すごくサービス精神もあるし、みんなを楽しませてくれようとするし、そういう目に見えない力を把握することもできるし、ラブ&ピース的なんだけど、私はどうも違和感を覚えてしまった。
そのサービス精神は、あくまでキャイ〜ンっていうワンちゃんを喜ばせるそれなのだ。
そう!楽しませてあげるよ!服従したら!って感じなのだ。
無論、私はこの時全然気づいていなかった。
基本的にお人好しなので、言うことを聞いていた。
でも後々考えると、とにかく“犬”。客はワンちゃん。
人をうまいこと丸め込むことに慣れすぎてしまっていた。
商売していく上で仕方のないことだとしても、ちょっと垢が付きすぎていた。
結局泳げないジジババは、イルカと泳ぐことはできなかった。
泳げないのに参加した方もどうかと思うけど、ホームページに泳げない人でも大丈夫!って書いちゃったのはマズイ。
少人数で6人までって書いてあったのに12人もいたのも、私をゲッとさせた。
満足いくまでイルカと泳げます、というのも、ちょいと違ったような。
“まとも”な真人間でいることって難しいな。
たぶん、優しいんだけど、優しくない。
いい人なんだけど、インチキ。
動物ってチョロいな。と思ってしまった。
「動物は全部、純真無垢」みたいな考えも変わった。
むしろ人間と本当に同じ!
動物も個体差で、純真無垢なのもいれば、おバカなキャイ〜ンもいるし、下世話で野蛮なのもいるだろう。
一緒に参加した人たちは、ジジババ以外、とてもいい人たちだった。
日本人って優しいな。
ジジババも悪い人じゃないんだけど、あまりにも田舎のジジババ根性。
ああ・・・そう、それで結論は、私は西欧人と一緒にやるべきだったのだ!
日本人は、意識か無意識か、他人を意識しすぎ。そしてそれを他人にも強要する。でありつつ、よそよそしい。それさえなきゃ、どんなにいい民族かしれない。
そんな民族、他になかなかないぞ。
他の国の人はもっと、他人を特別意識しすぎず、よそよそしくない。
なんでそれができないかね。
こんな風に、私は団体といると、人のことが頭を巡ってしまうのだ。
だからひとりがいい。と、なっちゃう。
それで今回の教訓。
やっぱり現地に行くまで、土地勘とか雰囲気は絶対にわからない。
それに観光地は観光客を楽しませる情報で溢れている。
むしろ現地入りして、現地の観光情報を収集して参加する、というやり方の方が絶対にいい!
あと、インターネット情報の限界も、今回思い知ることとなった。
あまり信じちゃダメだ。
ああ、そんなこんなで、とにかくでもこれで、コジレから解放され、やっと次の日から本調子が出ることになる!